はじめに【注意】ネタバレについて
本記事は、AmazonPrimevideoで順次公開中のドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」第6話まで観た時点で書いています。
そのため「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」第6話までのネタバレを含みます。また、この先の展開についてもネタバレしてしまう可能性があります。
本記事の意図は、ドラマ内で充分に描かれなかった設定等を原作から紹介し、作品をより楽しんでもらおうというものです。
筆者は記事の執筆において、物語の大筋に関わる部分については明らかにしないよう心がけています。
しかし指輪物語は人物・事象に関する設定等が膨大なので、ドラマの本筋にどの設定が関わってくるか、筆者には読み切れません。
ですからほんの少しのネタバレも我慢ならないという方は、ドラマ全編を観終わるまで本記事を読まないことをお勧めします。
この記事を読む・読まないに関わらず、皆様が指輪物語の世界を楽しんでくれることを願っております。
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また、本記事の表記についてお伝えしておきます。
「シルマリルの物語」での表記の例ですが、「イルーヴァタアル」「ヴァラアル」「マイアアル」等があります。
これらは、他のところでは「イルヴァタール」「ヴァラール」「マイアール」と表記されることもあります。
本記事では、「ヴァラール」以外は「シルマリルの物語」の表記に合わせてあります。
指輪物語の「ヴァラール」とは
ドラマ第3話から時々、「ヴァラール」という言葉が登場します。
例えばヌーメノールは、モルゴスとの闘いでエルフに味方した人間たちに、「ヴァラール」が褒美として与えた国ということです。
また、ミーリエルのセリフ内では「ヴァラール」と「神々」がほぼ同義につかわれます。
第6話のアロンディルの言葉からは、「ヴァラール」が信仰の対象であることもわかります。
指輪物語の「ヴァラール」は、ほぼ神のような存在です。
ただし、唯一神ではありません。
指輪物語での唯一神は、エルまたはイルーヴァタアルと呼ばれます。
ここからは「シルマリルの物語」よりイルーヴァタアルによる世界の創造について解説します。
唐突ですが、「ヴァラール」を説明するには欠かせない部分ですのでお付き合いください!
イルーヴァタアルが一番初めに創ったのが、アイヌアという存在です。
イルーヴァタアルとアイヌアの相互作用により、世界が生まれました。
そしてイルーヴァタアルはアイヌアに、望む者は世界に下りるよう言いました。
この時、世界に下りたアイヌアが「ヴァラール」と呼ばれます。
(イルーヴァタアルのもとに留まったアイヌアもいます)
ところで、アイヌアもヴァラールも複数形です。
単数形はそれぞれアイヌ、ヴァラです。
日本語では単数形・複数形という概念が分かりづらいので、「ヴァラール=ヴァラ達」でいいと思います。
だから「ヴァラール=神」ではなく「ヴァラール=神々」なんですね。
ヴァラールが下りた世界は未完成で、形もありませんでした。
その世界を造り上げることが、ヴァラールの任務でした。
やがて完成した世界に、エルフや人間が住まうようになったのです。
冥王モルゴス、サウロンは神に近い存在だった
現時点、ドラマでガラドリエルが戦おうとしている相手はサウロンです。
しかしドラマ第1話の序盤では、エルフの敵は「モルゴス」と呼ばれています。
モルゴスは打ち破ったが、サウロンが新たな脅威となった、というのが流れです。
このモルゴスも、もとはアイヌアです。
しかもアイヌアの中で最も優れた存在で、メルコオルという名前でした。
メルコオルも世界に下りましたが、他のヴァラールが世界を造るのを妨害しました。
サウロンは、もとはヴァラールの手助けをするマイア(複数形はマイアアル)のひとりでした。
マイアアルも世界に下りたアイヌアで、ヴァラールより下位の存在です。
サウロンは他のヴァラのマイアだったのですが、モルゴスに仕えるようになりました。
他にも、モルゴスに仕えた者に「バルログ」がいます。
バルログは複数いて、ほとんどはエルフの軍に滅ぼされ、ごく少数が地底の洞窟に逃れたそうです。
映画第一部でガンダルフと対峙したのは、この生き残りの一体ですね。
ドラマ第5話でも回想としてバルログが登場しますが、これと映画のバルログは違う存在と思われます。
おわりに
用語まとめ
・イルーヴァタアル(エル):唯一神
・アイヌア:イルーヴァタアルが始めに創った存在
・ヴァラール:世界に下りたアイヌア
・メルコオル:世界に下りたアイヌアの一人だが、他のヴァラールと争う。後のモルゴス
・マイアアル:世界に下りたアイヌアで、ヴァラールの下位の存在
・サウロン:マイアアルの一人。モルゴスの召使となる
本記事の執筆においては、「シルマリルの物語・上」を参考にしました。
冒頭の2章、「アイヌリンダレ」「ヴァラクウェンタ」では、世界の創造について書かれています。
この箇所はとても抽象的・詩的で、人によって解釈が様々になると思います。
本記事では筆者の解釈は述べず、固有名詞の解説と関係性の整理をしています。
説明に徹する為、詩的な部分はあえて具体的・簡潔な表現に変えてしまいました。
元の文は味わい深く、物語性もありますので、是非読んでみて頂きたいです。
例えば、メルコオルが他のヴァラと争うようになった経緯も書かれています。
筆者が考えた・感じたことも多々あるので、別の機会に形にできればと思っています。
2022/10/08追記
ヴァラールについてはこちらもぜひご覧ください!