はじめに【注意】ネタバレについて
本記事はAmazonPrimevideoで順次公開中のドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」第6話まで観た時点で書いてるため、そこまでのネタバレを含みます。
また、この先の展開についてもネタバレしてしまう可能性があります。
本記事の意図は、ドラマ内で充分に描かれなかった設定等を原作から紹介し、作品をより楽しんでもらおうというものです。
そのため、物語の大筋に関わる部分については明らかにしないよう心がけています。
しかし指輪物語は人物・事象に関する設定等が膨大なので、本筋にどの設定が関わってくるか完全には予測できません。
ほんの少しのネタバレも我慢ならないという方は、ドラマ全編を観終わるまで本記事を読まないことをお勧めします。
この記事を読む・読まないに関わらず、皆様が指輪物語の世界を楽しんでくれることを願っております。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
エアレンディルは特別な存在である
ドラマ第4話から、エルロンドが父親について語る場面が時々出てきます。
それによると、エルロンドの父親は偉大な人物だったようなイメージですが、どんな人物だったのでしょうか?
まずエルロンドの父親の名前ですが、エアレンディルといいます。
似ていますが、エレンディルではないですよ!
(指輪物語の世界は似たような名前があったり、時代を超えて同じ名前の人物がいたりするので混乱します↓エレンディルについてはこちら)
エレンディルは何者?アラゴルン、ヌメノール王朝との関係「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」より
エアレンディルの妻はエルウィングといいます。
エアレンディルとエルウィングは、どちらもエルフと人間の結びつきによって産まれています。
エアレンディルの両親は、イドリル(エルフ)とトゥオル(人間)です。
エルウィングの祖父母は、ルシアン(エルフ)とベレン(人間)です。
ドラマの舞台である第二期の時点で、エルフと人間の婚姻はこの2例のみです。
ですからエアレンディルとエルウィングは、エルフと人間両方にルーツを持つという点でかなり特別な存在なのです。
そして、このふたりの子がエルロンドとエルロスです。
エルロンドとエルロス、ルシアンとベレンについてはこちらの記事もどうぞ。
エルロスとは?エルロンドやアラゴルンとの関係もご紹介。「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」より
ガラドリエルの兄はどんな存在?「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」より
エアレンディルはどうなったの?
ドラマ内のエルロンドの言葉によると、
「エアレンディルはヴァリノールへ船を出し、ヴァラールに助力を請うてモルゴスとの戦いを勝利に導き、その功績を称えられて天空に昇った。今もシルマリルを帯びて空を駆けている」
とのことです。
エルロンドが父親を偲ぶ様子からは、エアレンディルは亡くなっているような印象ですが実際はどうなのでしょうか。
「シルマリルの物語」を読んだ筆者の解釈は、「エアレンディルは生死の概念を超えた存在になった」です。
神に近い存在になったとも言えると思います。
エアレンディルは、モルゴスとの戦いの中ヴァラールにエルフと人間の窮状を伝えます。
その結果、ヴァラールの住む地から中つ国へ援軍が来て、形勢が逆転するのです。
しかしこの時、中つ国の者がヴァラールの住む地に足を踏み入れるのは禁忌でした。
そしてエアレンディルは
・二度と中つ国、人間たちのもとに戻れない
・星として空をめぐる
・世界の外に弾き飛ばされたモルゴスを見張る
これらをヴァラールに命じられます。
筆者は、これらは禁忌を犯した代償という印象を持ちました。
上記のエルロンドのセリフ「功績を称えられて」とはズレるんですよね……
また、エアレンディルは人間の姿で空をめぐっているわけではないと思います。
物理的な形はとっていないが、存在している、とでも言えばいいのでしょうか……
エアレンディルを空に昇らせたヴァラールというのがほぼ神のようなものなので、かれらのやることは人知を超えているのだろう、ということで。
ヴァラールについてはこちらをご覧ください。
モルゴス、サウロンは神に近い存在?「ヴァラール」との関係は「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」より
かなり独自の解釈を展開させましたが、皆様もそれぞれ自由に感じていただければと思っています。
ちなみにこういう理由でエアレンディルは息子たちと会うことはできないのですが、妻とは共にあります。
エルウィングもエアレンディルと共にヴァラールの住む地に入ったので、中つ国には戻れず神々に近い存在となりました。
筆者は、この点は単純によかったなあ~と思っています。
おわりに~エルフと人間あれこれ
第二期の時点でエルフと人間の結びつきが2例のみとご紹介しましたが、ドラマでのあるセリフについて少々。
アロンディルというエルフが登場しますが、彼は第1話で仲間にこう言われています。
「よく考えた方がいい。エルフと人間の長い歴史の中で両者が結びついたのは2回しかない。それも悲劇に終わった。死という別れだ」
これは、おそらく人間であるブロンウィンとの親交を諫められているのでしょう。
(個人的には、ルシアンとベレン、イドリルとトゥオルは必ずしも「悲劇に終わった」わけではないと思います)
また、「エルフと人間の婚姻」といえばアルウェンとアラゴルン。
これは3例目なのですが、この二人については面白い情報があります。
アルウェンはエルロンドの娘、そしてアラゴルンは、イシルドゥア(イシルドゥル)の末裔。
そしてイシルドゥルの家系は、ヌーメノールの王家から別れたものです。
ヌーメノール初代国王は、エルロンドの兄弟であるエルロスです。
つまりアルウェンとアラゴルンは、祖先が同じ(エアレンディルとエルウィング)なのです。
それにしても、エルロンドからアルウェンが一代なのに対してエルロスからアラゴルンは一体……???
イシルドゥアからアラゴルンでも39代を経ていますから、推して知るべしです。
この辺りからも、エルフと人間の時間の流れが違うことを実感します。
(↓アラゴルンとアルウェンの年齢差についてはこちらです)