なぜファラミアは父デネソールに冷遇されるのか。兄ボロミアとの違いは?

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映画「ロード・オブ・ザ・リング」第二部「二つの塔」から登場するファラミア。

彼は、ゴンドールの執政デネソールの息子で、映画第一部で命を落とすボロミアの弟です。

彼がフロドとサムを捕らえ、指輪にどう関わるのか……?が、第二部の見どころのひとつとなります。

さて映画のボロミアは、どことなく悲壮感が漂い、追い詰められた感じがしませんか?

彼はどのような立場にあったのか、何を背負っていたのか……

映画と原作の両面から、彼の人物像を探ってみたいと思います。

ファラミアとボロミアの関係は?父デネソールはどんな立場にあるのか

まずファラミアとボロミアの関係、デネソールの立場について整理したいと思います。

まずデネソールですが、彼はゴンドールという国の「執政」です。

ゴンドールは古い歴史を持ち、本来アラゴルンの血筋が王として治めるはずの国です。

そして「執政」は、王を補佐して政治を行う立場にあります。

ゴンドールは長く王が不在で、執政が最高指導者として国を治めています。

その執政デネソールの息子が、ボロミアとファラミアです。

長子であるボロミアが、いずれゴンドールの執政となるはずでした。

ところで、「執政が王になろうとはしなかったのか?」と思いませんでしたか?

それについて、ちょっと面白い話が原作に出てきます。

幼いボロミアが、執政である父にぶつけた疑問とは……?

ほんの短いエピソードですが、是非原作を読んでみてください!




デネソールはなぜファラミアに冷たいのか?映画からわかること

映画でクローズアップされるのは、父デネソールの、兄弟への態度の違いです。

デネソールは兄ボロミアを評価し、ファラミアを露骨に冷遇します。

それがファラミアの悲壮感の原因なのは明らかですが、どのような背景があるのでしょうか?

DVDのエクステンデッドエディションを観ると、3人の関係がわかる場面があります。

それはフロドと出会ったファラミアが、兄のことを回想するシーンです。

「オスギリアス」という地を奪還したとして、兵士たちと父デネソールに称賛されるボロミア。

一方デネソールのセリフから、ファラミアがかつてこの地を陥落させられたことがわかります。

さらに指輪の存在に気づいたデネソールは、これを手に入れてくるよう、ボロミアに命じます。

この時ファラミアも名乗り出るのですが、デネソールは彼を「役立たず」と呼び、兄を指名するのです。

ファラミアの悲壮感と切迫感は、父に冷遇される悲しみと、なんとか信頼を取り戻したい焦りでした。

そしてボロミアは死に、父が求める指輪がファラミアの目の前に現れました。

彼にとっては、名誉を挽回し、父の信頼を取り戻す絶好の機会だったわけです。

しかし彼にとっては、父の評価がすべてではなかったのでしょう。

大将であった彼は、国や民、さらには世界全体を見る目を持っていたようです。

それが、最終的に指輪とフロドたちをどうしたか、その決断に表れています。




原作ではだいぶ余裕のあるファラミア。どんな人物として登場するのか

さて、原作のファラミアはどんな人物として描かれているのでしょうか。

一言で言うと、映画よりもだいぶ余裕のある雰囲気です。

言葉は終始丁寧で紳士的、フロドたちを乱暴に扱うこともありません。

ファラミアについては、フロドが彼についてどう感じたかという記述が多いです。

フロドはまず、初対面で背格好、態度、話し方からボロミアを思い浮かべました。

しかし次第に、ボロミアとは違う印象を受けるようになります。

原作でファラミアは、フロドたちに対して、映画ほど厳しい態度ではありません。

フロドはファラミアを「兄ほど利己的ではなく、また同時により厳格であり、より賢明でもある」と感じます。

そして、「このまじめそうな青年に心にあることを何もかも話して、助力と助言を受けたい」とまで思いました。

しかしどうしてもボロミアのことが思い出され、フロドはファラミアに指輪のことを打ち明けませんでした。

フロドの感じたところによれば、「かれら兄弟はあまり似てないにもかかわらずやっぱり濃い血のつながりがあった」のです。

結局サムが口を滑らせ、ファラミアに指輪の存在は知られてしまいます。

その時ファラミアがどうしたのかは、是非原作を読んでみてください!

彼の人となりが、いちばんよくわかるシーンです。

また、どういう話の流れで、サムは口を滑らせてしまったのでしょうか?

そのあたりも、サムのファラミアに対する気持ちの変化が関わっていて面白いです。




おわりに

ファラミアとフロドたちが出会って別れるまでは、原作では4章に渡ります。

第二部「二つの塔・下」4「香り草入り兎肉シチュー」半ばから、7「十字路まで」始めまでです。

ファラミアの回想として、ボロミアのエピソードも多く出てきます。

一方ファラミアの回想に、父デネソールは登場しません。

従って、デネソールの想いや、どんな人物なのかはここではわかりません。

それらは第三部「王の帰還」で語られますので、どうぞお楽しみに!

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