映画「ロード・オブ・ザ・リング」で、アラゴルンの恋人として活躍するアルウェン。
彼女は原作では、ほとんど出番がありません。
そのため「指輪物語」を読んでも、あまりアルウェンについて知ることはできないのですが……
不死のエルフであるアルウェンの年齢、気になりませんか?
本記事ではアルウェンの年齢のほか、家族構成や若きアラゴルンとの出会いについてご紹介します。
アルウェンの年齢は?母親は誰かなど、家族構成について
アルウェンは、フロドと出会った時点で2700年ほど生きています。
アルウェンが生まれたのは、中つ国の年代で「第三紀」の241年、フロドが裂け谷を訪れたのは3018年。
単純に3018ー241を計算すると、2777となります。
そしてアルウェンの家族についてですが、まず父親はご存じの通りエルロンドですね。
母親は名をケレブリアンといい、ガラドリエルとケレボルンの娘です。
つまりガラドリエルは、アルウェンの祖母なのです。
またアルウェンには兄が二人おり、名はエルラダンとエルロヒアといいます。
アルウェンの母親ケレブリアンは、2510年に海を渡って中つ国を去っています。
「海を渡る」というのは、不死のエルフにとって「この世を去る」と同じようなものです。
ケレブリアンはこの前年に、オークに襲われて毒の傷を負っています。
このことが、彼女が海を渡ることになった原因なのかもしれません。
ところで、アルウェンにはウンドーミエル(ウンドミエル)という別名もあります。
エルフ語の「ウンドーメ」は「夕暮れ」という意味で、これにちなんだ名前です。
これはアルウェンの美しさが星に例えられているからで、彼女は「夕星(ゆうづつ)姫」と呼ばれることもあります。
アルウェンとアラゴルンの出会いはいつ?それぞれの年齢は?
アルウェンと出会ったとき、アラゴルンは20歳でした。
この時、アルウェンはすでに2700年以上生きています。
アラゴルンは20歳になるまで、本当の名と血筋については知らされずに過ごしました。
イシルドゥアの世継ぎを狙う敵の勢力から、身を守るためです。
父親アラソルンがオークに殺害されてから、アラゴルンは母親と共にエルロンドのもとに身を寄せていました。
父親が死んだ時、アラゴルンはまだ2歳でした。
エルロンドは彼の父親代わりとなり、アラゴルンをわが子同様にかわいがったそうです。
20歳になったアラゴルンを、エルロンドは本当の名で呼び、何者であるかを告げます。
その次の日、アラゴルンはアルウェンと出会うのです。
その時から、彼はアルウェンを愛するようになりました。
そしてアラゴルンは49歳の時、ロスロリアンの地でアルウェンと結婚の約束をします。
この時のことは、彼の中で大変美しい思い出となっています。
原作では、旅の途中でロスロリアンに滞在するとき、アラゴルンがこの時のことに思いをはせる場面が出てきます。
フロドと旅に出た時、アラゴルンは87歳です。
彼は人間とはいえ長命の血筋なので、その年齢でも老人ではありません。
しかし20歳のころに比べれば、外見はずいぶんと変わったことでしょう。
それに対しアルウェンは、出会いから結婚に至るまで、容姿はほぼ変わらなかったようです。
アルウェンからアラゴルンに贈られたペンダントの意味とは
映画の第一部で、アルウェンがアラゴルンにペンダントを贈るシーンがありますよね。
お互いを思いやる二人の愛が感じられて大変美しい場面ですが、このエピソードは原作にはありません。
ただ、アルウェンから直接ではありませんが、アラゴルンに贈られるものがあります。
それはペンダントではなく、「翼を広げた鷲の形に細工された銀のブローチ」でした。
それには、「澄んだ緑色の大きな宝石が嵌められ」ていました。
このブローチは、旅の一行がロスロリアンを発つ際に、ガラドリエルからアラゴルンに渡されました。
その時にガラドリエルはこう言っています。
「これは万一そなたがこの地を通るようなことがあれば、そなたに渡すようにとわらわが預かったもの……」
ガラドリエルは誰から預かったかは言わないのですが、おそらくはアルウェンでしょう。
彼女の言葉はこう続くからです。
「この石はわが娘ケレブリアンにわらわが与えたもの。さらにケレブリアンはこれをその娘に与えた」
またこのブローチを受け取る時に、アラゴルンはガラドリエルから「エレスサール」という名を与えられます。
これは「エルフの石」という意味で、のちにアラゴルンは「エレスサール王」と名乗ることになるのです。
おわりに
映画では何かと登場回数が多いアルウェンですが、原作ではほぼ登場しません。
フロドを助けるために馬を駆ったり、息子の姿を幻視したりというエピソードは大体創作です。
原作ではセリフもほとんどないため、アルウェンの人物像はなかなか見えてきません。
また、映画でのアルウェンをめぐるアラゴルンとエルロンドの複雑(?)な関係も、原作ではそれほど感じられません。
アルウェンに焦点があてられ、セリフも多く出てくるのは、指輪物語の「追補編」です。
これは本編の補足説明を集めた巻で、その中に「アラゴルンとアルウェンの物語(その一部)」という章があります。
ここに、アルウェンとアラゴルンの出会いから結婚、その後までが簡単にまとめられています。
エルロンドがアラゴルンに、アルウェンとの結婚に条件を出すなど、物語としても面白い部分です。
「追補編」は、そのほか年表や家系図なども載っています。
今回の記事は、主にこの巻を参考に作成しました。
本編と合わせて「追補編」を読むと、より指輪物語の世界を楽しめますよ!