ガンダルフが指輪を持てないのはなぜ?彼の立場や強さからの考察

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映画「ロード・オブ・ザ・リング」を観た感想として、「なぜガンダルフは指輪を持てないの?」というものがあります。

確かに映画を観ただけでは、ガンダルフが指輪を持てない理由はよくわからないかもしれません。

それは、指輪を受け取ることを拒否するガンダルフのセリフが難解だからです。

本記事では、原作を読むとわかる「ガンダルフが指輪を持てない理由」を解説します。

映画のセリフには、とても多くの情報が詰め込まれていました……

ガンダルフが指輪を持てない理由は?映画のセリフがわかりにくい!

映画には、指輪の恐ろしさを知ったフロドが、ガンダルフにそれを差し出す場面があります。

これは、フロドの立場なら当然の行動です。

自分よりずっと長く生きていて、知識も力もあるガンダルフなら、指輪を何とかしてくれそうですから。

ところが、それを拒否するガンダルフのセリフがこちらです。

「受け取れぬ……持つことはできんのじゃ。わしなら良い目的のために使う」

「しかし、それが持つ力の大きさは想像するだに恐ろしい」

このセリフ、後半だけを聞くと「指輪の力が恐ろしすぎて受け取れない」という意味になりそうですよね。

「自分は怖くて持っていたくないから、よろしく頼む」とも解釈できてしまいそうです。

しかし、前半のセリフも併せて理解しようとすると……「?」となりませんか?

もちろん、映画はセリフがすべてではありません。

それぞれの表情などから「ああ、ガンダルフは指輪を持てないんだな」と納得させられてしまう部分もあるのですが……

映画のセリフは、本当はどういう意味なのでしょうか?




映画のセリフの意味は?原作の同じシーンから

原作の同じシーンでは、ガンダルフはもう少し長々と語ります。

そこから彼が指輪を持てない理由がわかります。

一言でいうと、「ガンダルフが指輪を持ってしまうと危険だから」です。

指輪を受け取ることを拒否するガンダルフのセリフに、こんなものがあります。

「その魔力が加わればわしの力はあまりにも強大な怖るべきものになる」

ガンダルフはもともと力を持っているので、指輪を持ってしまうと、強くなりすぎてしまうのです。

その力を良いことに使えばいいのではないか?と思われるかもしれませんが、それはできません。

原作を読むと繰り返し出てくることなのですが、指輪は悪そのもののような性質を持っています。

だから、たとえ良い目的のために使おうと指輪を手にしても、指輪の誘惑の力は、必ず所持者を悪事へ導いてしまうのです。

例えばエルフの長エルロンドは、指輪を「悪ならざるところはない」と表現し、以下のように言います。

「賢者のうちの誰かが、この指輪を用い、自らの術も駆使してモルドールの王を倒したとする」

「すると彼は、次に自らをサウロンの座に据え、ここにまた一人冥王が出現することになるのだ」

ガンダルフも、指輪を受け取ることを拒否する場面で「わしは冥王その人のようになりたくない」と言っています。

また、使わずに厳重に保管しておけばいいのでは?という疑問もあると思います。

しかし、それができないことを示すガンダルフのこんなセリフがあります。

「それを思うさま使ってみたいという気持ちは、わしの力では抗しきれないほど大きくなるじゃろう」

指輪の誘惑はそれほど強く、ガンダルフはそれを知っているのです。

まとめると、

・指輪はそれを使うよう誘惑する力がとても強い

・指輪はどんな者でも、悪事に導いてしまう

・だからもともと大きな力を持っているガンダルフが指輪を持つと危険

ということになります。

映画のセリフは、これらが凝縮されてあのような形になったということですね。




ガンダルフが指輪を受け取れないもう一つの理由があった!

ガンダルフが指輪を受け取れなかったもう一つの理由があります。

フロドが、もう自分の意志でそれを手放せなかったからです。

ガンダルフが指輪の正体に気づいたとき、フロドにはすでに指輪の誘惑の影響が出始めていたのです。

原作では、指輪の恐ろしさを知ったフロドが、破壊することができるのではないかとガンダルフに問う場面があります。

そんなフロドに、ガンダルフはこう答えます。

「さあ、やってごらん!」

そしてフロドは指輪を暖炉の火に投じようとします。

しかし、フロドにはそれができませんでした。

指輪をポケットから出し、火の中に放り投げようとしたつもりが、気づいたらポケットに戻していました。

ガンダルフはこう言います。

「わしはあんたにそれをどうこう『させる』ことはできん」

「力ずくでならべつじゃが、そんなことをしたらあんたの心は打ち砕けるじゃろう」

映画では、エルロンドの会議でフロドが出席者に見せるため、指輪を台に置くシーンがあります。

原作では、ここでフロドは指輪を手放さず、自分で持ったまま高く掲げます。

このように原作では、フロドが自分から指輪を手放すことはありません。

フロドは自分の意志で指輪を手放せないので、ガンダルフに渡すことも実はできないのです。

だからガンダルフが指輪を持とうとしたら、フロドから力ずくで奪うしかありません。

しかしそれをすれば、フロドの心が壊れてしまいます。

ガンダルフは、それはしたくなかったのです。




おわりに

この記事の内容は、「指輪物語」第一部「旅の仲間・上」2「過去の影」、「旅の仲間・下」2「エルロンドの会議」を参考にしています。

指輪がどのように生み出されたのか、その後どのような経緯でビルボが手にしたのかも、この章で語られます。

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