「二つの塔」のヒーロー、エオメル。原作での初登場シーンは?

スポンサーリンク




映画「ロード・オブ・ザ・リング」第二部「二つの塔」のヒーローといえば、エオメルですね。

アラゴルン、ギムリ、レゴラスももちろん活躍しますが、エオメルの存在感は圧倒的。

それは、ヘルム峡谷のローハン勢を助けに現れるシーンがとても印象深いためでしょう。

映画のラスト近く、エオメルの加勢によってヘルム峡谷での戦局が逆転します。

それまでのローハン勢は防戦一方、絶望的な様相を見せていただけに、この展開は心躍るものがあります。

同時に、エオメルの存在感をより一層際立たせる演出となっています。

「二つの塔」で大活躍のエオメル、原作での初登場シーンはどのようなものなのでしょうか?

ガラドリエルに関して、ギムリともめるエオメル

映画で、エオメルの一行は、呼びかけたアラゴルンたちに、槍を向けて取り囲みます。

そしてギムリを挑発したり、それに怒ったレゴラスが矢をつがえたりしますよね。

原作でも同じようなシーンがありますが、この悶着にはガラドリエルが関係しています。

その経緯は次のようなものです。

エオメルに何者かと問われたアラゴルンは、ロスロリアンを通ってきたことを告げます。

それを聞いたエオメルは、険しく冷たい目をギムリとレゴラスに向けました。

エオメルにとって、ロスロリアンとそこに住むエルフたちは、昔話でしかありません。

そしてガラドリエルは、魔術を行う怪しい存在という認識なのです。

エオメルの言動には、彼がガラドリエルに良い印象を持っていないことが表れてしまいます。

それを感じ取ったギムリが怒り、エオメルにこう言います。

「あんたに警告しますぞ、たわけたことを口にされぬようにとな」

これを聞いたエオメルはギムリに槍を向け、それに対してレゴラスが弓を引きます。

結局アラゴルンが間に入ってこの場は収まりますが、ギムリはその後も何度かエオメルに絡みます。

ギムリはガラドリエルに心酔しているので、彼女が悪く言われることは絶対に許せないのです。

ギムリのガラドリエルへの想いと、レゴラスとの友情についてはこちらの記事もご覧ください!

ギムリとレゴラス、仲良しになったきっかけはガラドリエル!?




エオメルはなぜそこにいたのか、どこに行くところだったのか

さて、エオメルたちはなぜあの場所にいて、どこへ向かう途中だったのでしょうか?

彼らは、ピピンとメリーをさらったオークの一団を壊滅させ、エドラスに戻る途中でした。

エドラスとは、ローハンの王、セオデンが住む地です。

エオメルは、帰途を大変急いでいました。

それは彼が、王の許しを得ずにオークの討伐に向かったからです。

そして彼が王の館を留守にしてしまうと、警護のものがほとんど残らないからでした。

エオメルがオーク討伐に王の許しを得られなかった理由は、大体察しが付くと思います。

その頃のセオデン王は、サルマンの手先グリマによって、思考と判断能力を奪われていたのです。

その状態の王のもとを離れるのは、エオメルにとっては苦渋の決断だったことでしょう。

エオメルはこの時アラゴルンたちに、ともにエドラスに来てほしいと言います。

アラゴルンが王家の血筋であることを明かしたので、その力を借りたいと願い出るのです。

また、見知らぬものが国土を歩き回ることを見逃すのは、国法に反する行為となるためでもありました。

しかし、メリーとピピンを見殺しにできないアラゴルンは、同行を断りました。

そこでエオメルは、しばらく考え込むことになります。

アラゴルンたちを見逃すと、彼は国法にそむくことになり、それは命に関わる罪です。

結局エオメルはアラゴルンたちを見逃し、馬も貸し与えることを決めました。

アラゴルンたちの、仲間を想う気持ちに共感したからできた決断だったと思います。

それはエオメル自身も、仲間を大切にする人物だったからなのでしょう。

法を重んじながらも、情で潔い決断ができるエオメル、かっこいいですよね!




アラゴルンたちに引き渡された2頭の馬

映画でエオメルはアラゴルンたちに2頭の馬を貸し与えますが、これは原作でも同じです。

そこまでのエオメルの話から、彼らがオークとの戦闘で15人の仲間と12頭の馬を失ったことがわかります。

エオメルの一行はおそらく全員が馬に乗っていたでしょうから、単純に考えると、乗り手のいない馬は3頭いたと思われます。

アラゴルンたちは3人でしたから、3頭の馬を貸してくれてもいいと思いませんか……?

そうではなかったのは、実はこんなやり取りがあったからなのです。

アラゴルンたちに馬を貸すようにとエオメルが命じた時、それについて不満を口にした者がいました。

「この国の馬をドワーフに貸し与えるなどということは、どなたかかつて耳にされたことがおありかな?」

これが、エオメルの部下の一人が言った言葉です。

これに対し、ギムリはこう返します。

「ご心配ご無用。これからだって耳にするものはおらぬからな」

「そんな大きな獣の背中に乗って行くより、わたしは歩いた方がよっぽどいいんだ」

しかしアラゴルンが、追跡を急ぐため馬に乗る必要があるとギムリを諭しました。

そしてここでレゴラスがギムリに、自分の後ろに乗ることを勧めます。

映画「二つの塔」でよく話題になる「レゴラスとギムリの二人乗り」には、こんな背景があったのです。




おわりに

この記事は、「指輪物語」第二部「二つの塔・上」2「ローハンの騎士たち」を参考に作成しました。

エオメルのセリフが多く、そこからは王への忠誠心と、現況への不安がうかがえます。

勇猛な姿の内にある想いを知ると、エオメルがまた一層魅力的に感じられます!

スポンサーリンク
スポンサーリンク




スポンサーリンク




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク