はじめに【注意】ネタバレについて
本記事は、AmazonPrimevideoで順次公開中のドラマ「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」第4話まで観た時点で書いています。
そのため「ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪」第4話までのネタバレを含みます。また、この先の展開についてもネタバレしてしまう可能性があります。
本記事の意図は、ドラマ内で充分に描かれなかった設定等を原作から紹介し、作品をより楽しんでもらおうというものです。
筆者は記事の執筆において、物語の大筋に関わる部分については明らかにしないよう心がけています。
しかし指輪物語は人物・事象に関する設定等が膨大なので、ドラマの本筋にどの設定が関わってくるか、筆者には読み切れません。
ですからほんの少しのネタバレも我慢ならないという方は、ドラマ全編を観終わるまで本記事を読まないことをお勧めします。
この記事を読む・読まないに関わらず、皆様が指輪物語の世界を楽しんでくれることを願っております。
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「よそびと」の正体は?
ドラマ第2話で登場した「よそびと」。
空から降ってくる、炎に囲まれている、言葉も目的もわからない、という謎だらけの存在です。
これだけ強烈な登場をさせるからには、物語の上で重要人物であることは確かでしょう。
「よそびと」の正体については多くの方が考察されています。
多くはガンダルフ説のようですが、私もまずそう思いました。
少なくとも、魔法使のひとりではないかと思っています。
その根拠を原作から探したのですが、残念ながらほぼ見つかりませんでした!
あえて言うなら「追補編」の中の魔法使に関する記述で
「かれらは初めから全然若はくなく、年をとるのも緩慢であった」
という箇所でしょうか。説得力に欠けますね!
ですから私が「よそびと=魔法使」と思うのは完全に主観ですが理由を挙げてみます。
まず、大地に落ちたあと炎に囲まれていたこと。
映画でも見られたように、ガンダルフは「炎の使い手」ですから。
それから、ホビットの一種族であるハーフット族のノーリと関わること。
映画でホビットと親しくしていたガンダルフの姿と重なります。
さらに、よそびとが驚いたりなど感情を動かすと、周りの植物や風がそれに呼応するようにざわめくこと。
この辺りはガンダルフというより、ラダガストっぽいな?と思います。
魔法使といっても、サルマンではないと思うんですよね。というか、そうであってほしくないです。
これは私の気持ちの問題ですが、よそびとはサウロンに対抗する側であってほしいんです。
(サルマンも初めはそうだったと思いますが、最終的には裏切ってしまうので……)
だって、そうじゃないとよそびとを助けたノーリが報われないじゃないですか?
あんなに周りに責められても、自分の直感を信じて行動したノーリはちゃんと肯定されてほしいです。
魔法使について、追補編より~ガンダルフが魔法を使わないのはなぜ?
上では「よそびと=魔法使」説の根拠を原作から探した話をしました。
しかしその過程では、むしろこの説を否定する根拠を見つけてしまいました。
「追補編」によると、中つ国に魔法使が現れたのは、第三紀が始まって千年ほど経った頃なんですよね。
ドラマの舞台は第二紀終わり頃なので、明らかにズレています。
でもドラマでこれから起こりそうなことを年表に照らしてみると、ズレている点はたくさんあります。
だからドラマ製作上の創作で、千年程度は平気でズレるかもしれません……?
本筋から外れますが、魔法使について興味深い記述があったので紹介します。
魔法使は「さい果ての西の地」からの使者で、サウロンに抵抗する者たちを結び合わせるために遣わされたということです。
興味深いのは、「魔法使たちはサウロンの力に力をもって対抗することを禁じられていた」という点です。
サウロンは、あくまで小さな力がたくさん結び合わされて倒されなければならなかったということだと思います。
ガンダルフは魔法使なのに魔法使わないじゃん!とよく言われていますが、それはおそらくこういう理由です。
例えば一人の強い魔法使がサウロンを打倒しても、次はその魔法使いが世界にとって脅威となってしまうんですね。
このことは指輪物語と関連作品の中で、表現を変えてあちこちで言われているように思います。
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ガンダルフが指輪を持てないのはなぜ?彼の立場や強さからの考察
指輪物語の世界に、魔法使はたったの5人。サルマン、ガンダルフ、ラダガスト、ほかの二人は全編を通して登場せず、名前もわかりません。
サルマンは白、ガンダルフは灰色、ラダガストは茶色とそれぞれを象徴する色があります。
また、ガンダルフが「青の魔法使」の存在を語る場面がどこかにあったと記憶しています。
おわりに
最後に、「魔法使」という表記について。お気づきでしょうか?
執筆の間自動校正でさんざん指摘されましたが「魔法使い」ではないんです。
訳書は一貫して「魔法使」なんです。
だから、このサイトの名称も「魔法使の研究室」!